健康のために一念発起!スポーツジムでヨガやダンスまたはジョギングなどの運動を始めたものの、家に帰ってから「腰が痛い!」「膝が痛い!」というのはよくある話です。これでは、せっかくの体力づくりが台無しになってしまいます。なぜ、運動をすると腰や膝に痛みがでるのか、その原因と対策を見ていきたいと思います。
20歳をピークに筋肉量は減少します!
普段、仕事や家事に追われて気が付いてみたら・・運動不足でメタボ体型まっしぐらになってませんか?
そして、少しでも効果をだそうと急に運動をした結果、膝痛や腰痛でせっかくの運動が出来なくなってしまった話もよく聞きます。なまじ体力に自信のある方ほど「まだまだいける!」と頑張った結果、トラブルに見舞われることが少なくありません。
歳をとる上で避けられない宿命
若い頃から体力に自信があり、体調も全く問題ないのに40歳を過ぎた頃から、買い物なので長い時間歩くと膝や腰が痛くなったり、何もないまさかの場所で転んだり…こういったことが起こるのは何故なのでしょうか?
ちょっと驚かれるかもしれませんが、私たち人の体の筋肉量のピークは成長期が終わる20歳ごろになります。
後で詳しく説明しますが、この筋肉量の減少こそが、膝や腰、様々な体のトラブルへとつながるのです。こればかりは、生物として避けられない宿命なのです。
運動で必要な部位の筋肉がいちばん衰えやすい!
年を取るとともに減少する筋肉量は、部位ごとによって異なってきます。もっとも落ちるのが、ふとももの前面「大腿前部」、その次に「腹筋」です。
実は、大腿前部の筋肉は運動でもっとも使用する部位です。階段や坂道を上る時に、足を持ち上げるのはこの筋肉です。さらに下りでは、片足で体重+加速度を受け止める重要な役割をもっています。この大腿前部の筋肉が弱ると、下りで着地した時の負担がダイレクトに膝に伝わってしまいます。膝痛の主な原因は、図のような大腿前部の筋肉が減少していることが多いのです。
そして、もう一つ大切な腹筋は、全身のバランスを保ち前屈みにならないよう正しい姿勢を維持する働きがあります。普通の生活では、腹筋が弱ったからといってすぐに腰痛にはなりません。しかし、運動や長時間歩くときに腹筋が弱いと、姿勢が悪くなることで、腰に負担がかかり痛みが起こりやすくなります。腹筋は図のように、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋そして腹横筋の4種類があります。
筋肉量は筋トレで維持・向上できる!
太ももや腹筋は、日常の動作でも使っていますがが、それだけでは筋力を維持するために不十分です。筋力は“ややきつい”と感じる負荷をかけないと、どんどん低下してしまいます。つまり、きちんと負荷をかけて鍛えることで、筋肉量を維持・向上させることができるのです。
中高年の人が痛めがちな、膝痛と腰痛を予防したいなら、最低限「大腿前部」と「腹部」の筋肉は、積極的に鍛えていきましょう。
【まとめ】
・筋肉量は加齢とともに減少。運動中の体の痛みへと繋がる。
・膝痛と腰痛予防に、最低限鍛えておきたい部位は「大腿前部」と「腹部」。
自宅や会社でできる! イスを使った簡単筋トレ
とはいえ、ジムに通うとか、本格的なエクササイズを毎日続けるのは難しいですよね。そこで今回は、仕事中やテレビを見ながらでも簡単にできる筋トレを紹介します。
どの部位を鍛えているかを意識しながら、まずは正しいやり方を身につけ、少しずつ体を慣らしていきます。楽にこなせるようになってきたら、無理のない範囲で、回数やセット数を増やし、ステップアップを目指しましょう。
①膝痛予防トレーニング(①太もも)
●鍛えられる部位:大腿前部
太ももの上下運動で、大腿前部を鍛え、膝痛を予防するトレーニング。
<目安:5〜20回×1セット>
1. イスに腰かけ、背もたれに背中はつけず、背筋を伸ばす。腕は胸の前で軽く組むが膝の上におき、膝を肩幅まで開く。
2. お辞儀をするようにゆっくり立ち上がり、椅子の座面から約5〜10cm上げて元の状態まで下げる動きを繰り返す。
ポイント!上下運動が難しい場合は、2の腰を上げた中腰の状態をキーブするところからはじめましょう。
②腰痛予防トレーニングa(腹筋a:片足あげ)
●鍛えられる部位:背筋・腹筋・股関節・腸腰筋
背筋と腹筋、さらには股関節まわりの筋肉や、骨盤内にある腸腰筋を同時に鍛えることで、腰痛を予防するトレーニング。
<目安:5〜10回×1〜2セット>
1.イスに浅く腰かけ、両手でイスの両側をつかみ、目線は前を向く。背もたれに背中をつけ、背筋をやや曲げる。
2.腹筋に力を入れ、片足を交互に太ももをゆっくり引き上げ、ゆっくり1の状態へ下ろす動きを繰り返す。呼吸は自然にして、息をとめたりしないように注意。
③腰痛予防トレーニングb(腹筋b:両足あげ)
●鍛えられる部位:背筋・腹筋・股関節・腸腰筋
背筋と腹筋、さらには股関節まわりの筋肉や、骨盤内にある腸腰筋を同時に鍛えることで、腰痛を予防するトレーニング。
<目安:5〜10回×1〜2セット>
1.イスに浅く腰かけ、両手でイスの両側をつかみ、目線は前を向く。背もたれに背中をつけ、背筋をやや曲げる。
2.腹筋に力を入れ、両足の太ももを同時にゆっくり引き上げ、ゆっくり1の状態へ下ろす動きを繰り返す。呼吸は自然にして、息をとめたりしないように注意。
ポイント!電車の中や仕事中に行う場合は、上げ下げをせずに2の状態をキープするだけでもOKです。
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