骨を生育させる大切な3要素
骨の成長にとって大切なものは、「カルシウム」「ビタミンD」そして「運動」の3つがあります。このうちどれが欠けても、骨の生育に十分ではありません。
そのうちの運動について、前回のブログでは大切さについてお伝えしました。今回は、カルシウムを体に取り込むのに必要な「ビタミンD」との関係について見ていきましょう。
ビタミンDについて
ビタミンDは、腸からカルシウムの吸収を促進し、血中濃度の上昇、骨の生育に関係しています。また、高血圧や歯周病、自己免疫疾患などに予防効果があります。逆に、ビタミンDが欠乏すると、骨粗しょう症や白内障、骨軟化症、冬季うつ病などの病気を引き起こすことが分かっています。
そしてこのビタミンDは、多くの魚類やきのこ類の中に含まれるほか、人間は太陽光に含まれる紫外線の助けを借りて、自らの体内で作ることができるのです。
女性のビタミンD不足が深刻な現代
1990年代にオゾン層に穴が発見され、高緯度地域に住む特に白人種に多くの皮膚がんが発症したため、日本でも過剰に紫外線を避ける風潮が広まりました。更に冬でも日傘や日焼け止めを使うようになったことから、日本人女性の80%近くが慢性的なビタミンD不足に陥っています。結果として、特に若い女性の骨粗しょう症が問題になっています。
確かに、紫外線は日焼けなどで皮膚にダメージを与え、皮膚がんやシミそばかすの原因になることが知られていますが、デメリットばかりではなく、骨を強くしてくれるビタミンD生成を行ったり、強力な殺菌作用など人体へのメリットにも注目するべきです。
実際、地球上の生物は全て、生存するために太陽光の影響を受けています。行き過ぎた紫外線へ拒否反応ではなく何事もほどほどがいいのですが、この辺りの内容については改めてブログにまとめで行きます。
参考までに、国立環境研究所が一日にどれくらいの時間なら太陽光(紫外線)を浴びても人体に影響無いのかを、毎日測定して公表しています。(データの速報値は現在休止中、23年10月までの過去データーは閲覧できます)
骨粗しょう症は治療より予防が大事
最近では、不足がちなビタミンDをサプリメントで補う傾向もみられますが、ビタミンDは脂溶性で体内に蓄積されるため、過剰に摂ることで健康問題を引き起こします。
ビタミンDの過剰摂取による副作用として、高カルシウム血症、食欲不振、体重減少、多尿、不整脈などのしょうじょうがあり、さらにひどくなると心臓や腎臓に障害が起こる可能性があります。
前述の国立環境研究所のサイトを参考にすれば、夏場の神戸なら日中15分程度太陽を浴びるだけで、皮膚へのダメージなく一日のビタミンDがまかなえます。早朝、夕方なら1時間程度浴びても大丈夫なので、散歩やウォーキングを通して、「運動」と「ビタミンD」を手に入れることができます。これなら、簡単で手間もかかりませんね。
骨粗しょう症になると、とても長い薬物治療が待っていますし、お薬をやめると元にもどるという厄介なものです。そうならないためにも、通勤通学やお買い物またはペットとの散歩など、お天道様の下で活動することが骨を強くし、骨粗しょう症予防への近道といえそうです。
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