休みに入ると体調を崩すあなたへ
―「病は気から」は本当だった?―
毎年この時期になると、「仕事納めの翌日に風邪をひいた」「正月休みに入った途端、熱が出た」そんな声をよく耳にします。
「忙しい時は何ともなかったのに、休んだら体調を崩す」・・・これ、不思議に思いませんか?
実はこの現象、気のせいでも、年のせいでもありません。人間の体の仕組みから見ると、とても理にかなっているのです。
忙しいとき、体は“非常モード”で動いている
仕事が立て込んでいる時や、責任のある立場にいる時、私たちの体は無意識に緊張状態に入ります。
このとき活発に働くのが「交感神経」。
- 集中力が上がる
- 痛みや疲れを感じにくくなる
- 多少の不調は抑え込まれる
いわば、体がアクセルを踏みっぱなしの状態です。この状態では、「風邪をひく余裕すらない」というのが正直なところ。
仕事が終わり、ホッとした瞬間に起こること
年末に仕事が終わり、「やっと休める…」そう感じた瞬間、体では大きな切り替えが起こります。
- 緊張がほどける
- 交感神経から副交感神経へ
- 体が回復モードに入る
するとどうなるか。
☞それまで抑え込まれていた疲れや不調が、一気に表に出てくる
つまり、
風邪をひいたのではなく「症状が出られる状態になった」
というのが実際のところです。
免疫が弱くなったわけではありません
ここで誤解されやすいのですが、これは「免疫が急に弱くなった」わけではありません。むしろ逆で、免疫が本来の働きを取り戻した結果とも言えます。忙しい間は、体は「いまは戦闘中だから後回し」と、細かな炎症や不調を抑えています。休みに入って初めて、「では、溜まっていたものを処理しよう」と動き出すのです。
なぜ風邪が多く、他の病気は出にくいのか
この時期に多いのは、自己免疫疾患ではなく、圧倒的に風邪やインフルエンザです。
理由はシンプルで、
- 風邪は外から侵入する
- しかも日常的に何度も入ってくる
- 免疫の“初動”が少し落ちるだけで症状が出やすい
一方、自己免疫疾患は、長い時間をかけて起こるもの。年末年始の一時的な緊張の切り替えだけで、突然発症するものではありません。
東洋医学でいう「病は気から」
東洋医学で言われる「病は気から」という言葉。これは「気持ちの問題」という意味ではありません。
- 気が張っている → 抑える力が強い
- 気が緩む → 巡りと回復が始まる
年末年始に体調を崩すのは、体が正直に回復へ向かっている証拠とも言えます。
年末年始を元気に過ごすために
大切なのは、「休む=何もしない」にしないこと。
- 急に生活リズムを崩さない
- 首・お腹・腰を冷やさない
-
軽い散歩やストレッチを取り入れる
体にとっては、少し動きながら、ゆるめるこれが一番の休養です。
まとめ
年末年始に風邪をひきやすいのは、体が弱ったからではありません。むしろ、無理をしてきた体が、ようやく声を上げられた状態。
体の不調は、弱さではなく無理をしてきた証拠でもあります。年末年始のこの時期こそ、少し立ち止まって体の声に耳を傾けてみてください。
もし「自分では整えきれないな」と感じたときは、体をゆるめるお手伝いができる場所があることを、思い出していただければ幸いです。















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