ひざの痛み 骨には異常がないのに曲がらない

ひざの痛み

膝はマルチパフォーマンスを発揮

とても辛い膝の痛み。放っておくと、歩けないばかりか変形性膝関節症を患う恐れもあります。「歩く」「走る」「飛ぶ」「曲がる」など、人が活動するための動きに膝はとても深くかかわっています。

もともと不安定なひざ

まずはひざに関係する筋肉を見ていきましょう(下図参照)。 ひざはもともと、前後左右に不安定な構造をしています。その関節を支え滑らかに動かすために、多くの靭帯や筋肉が膝で交差したり覆うようにくっついています。

そのおかげで、高いところから飛び降りてもショックアブソーバーのように衝撃を和らげることが出来、逆にダッシュやジャンプを行う時はバネのように働くことができるのです。 そして、ひざを取り巻く筋肉群が協調性を持って体勢の維持やバランスを取り、人間の活動を支えています。

ひざ痛をまねく筋力低下

ひざ痛の原因には、関節軟骨がすり減って起こるもの、外圧(捻じる、過伸展、横からの力がかかるなど)が直接ひざの関節にかかって起こるもの、骨の病気、オーバーユース(使い過ぎ)、成長痛などが考えられます。

それ以外で多いのが、筋力低下によりひざの安定を維持できなくなり、一部の筋肉や靭帯に負荷がかかり痛みがでる場合が有ります。筋力低下は、柔軟・運動不足や加齢から来るものや体重の増加によるものがほとんどです。

高齢者の多くのひざ痛は、お皿周辺で起きやすいのでついついひざが原因と思われがちですが、実は大腿やハムストリングの筋肉群の柔軟性が低下し、硬くなることで起きます。症状としては、痛くてひざが伸びない、曲げられなくなる(正座ができない)などが起きてしまいます。

ひざの痛みを和らげるには

まずは硬くなった筋肉をゆるめることが必要です。特に、もも裏のハムストリングと呼ばれる筋肉群は硬くなりやすいのでしっかりとゆるめましょう。 方法はいたって簡単です。

  1. まずイスに浅く座り、ひざ裏に通ってる2本の太い「腱:けん」を探しましょう。
  2. 両手でひざの上あたりを包むように持ちます(この時、親指がももの上でそれ以外の指はもも裏にくるように)。すぐに、太く大きな腱2本が指で確認できるはずです。これがハムストリングです。
  3. 次に、ももの外側の腱をお尻の方にたどると、ひざ裏からお尻の真ん中位まで通っているのが分かると思います。
  4. この外側の腱をひざ裏から順に、軽い力でギターの弦をつま弾くようにやさしくマッサージします。特に、湯船の中や風呂上りに行うと効果的です。

正座がしづらいと感じている方は、一度お試しください。 ※ひざの筋肉を強化する運動は、後日紹介させて頂きます。ご期待ください。

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