すべてはいい経験なんです
過ぎてしまったことは、どうやっても取り戻すことは出来ませんが、これから起こる事は心に刻むことは出来ます。それがとても良い経験なら、さらに過去への執着をやわらげてくれるます。
キャンプカウンセリングでは時に、色々な経験を通して過去の自分と向き合います。その経験から、自分なりに納得したものが体験として、いつまでもその人の心の支えになってくれる事を願っています。
大切な思い出の代わりに
大人にとって過ぎてみればたわいのないことでも、多感な思春期での出来事は本人にとってはとても大切な事なのです。ぽっかり穴の開いたような、何かを落としてきたような感覚から、何をするのも面倒になり、引きこもりがちになってしまいます。頑張って進学はしたものの、大好きだったクラブ活動もやめてしまい、学校に行ったり行かなかったりを繰り返すようになってしまった事例です。
主訴
元々は、脊椎すべり症で腰が痛くて施術を受けていた男子。そのことで修学旅行よりも楽しみにしていたサマーキャンプを、学校側の判断で大事を取って断念させられてしまったそうです(すべり症自体の痛みはすっかり良くなり、ずいぶん前に施術自体は終了しています)。そして、好きなサッカーを楽しむまでになっていました。にも、かかわらずサマーキャンプへ行けなかった事が相当ショックで、徐々に抜け殻のようになってしまったというものです。
施術・カウンセリング
子供さん(高校生)は、サッカーでの故障などで小さいころから施術を受けに来ていたので、カウンセリング自体もリラックスした雰囲気の中で進めることが出来ました。話を聴いていく中で、今の学校に問題がないこと、友達や先生にも不満はなく、「ただ何わからないけど、落としてきたような感覚が消えない」と言う事が分かりました。
さらに話を聴くと、本当に楽しみにしていたサマーキャンプに行けなかったのは、サッカーのやりすぎですべり症となったからと思い込んでいることも分かりました。結果、体を動かしすぎるとまた痛みが出て、大切な行事のときにまたダメになるんじゃないかと感じてました。
まずは、すべり症についての誤解を解いてあげ、今現在なんら問題が出ていないことがその証拠と安心していただきました。もちろん、また運動しても大丈夫と伝えています。当時の学校の対応にも、体を思ってくれての事と話をしました。
そのあとで、サマーキャンプ以上のドキドキをワクワクを体験してみないか?と提案。もちろん、過ぎてしまったその瞬間は取り戻すことは出来ませんが、子供さんもそこは十分理解してくれて、とても興味を示してくれました。
『六甲ナイトハイク』ドキドキのアドベンチャー体験
キャンプカウンセリングでは、事前の打ち合わせで本人とご両親のどちらかに来てもらい、ご両親には趣旨と内容を説明させて頂いています。プログラムの説明の途中ら、ご両親の方がとても乗り気になり、子供さん以上に行く気満々となりいい雰囲気でした。 仲の良いご家族なので、話はとんとん拍子で進みルートは自宅から近い青谷ルートを選択。
季節は晩秋、夕方17時前に登山口手前の妙光院に集合となりました。時間的にスタートしてすぐに暗くなるので、ライトを点けながら登っていきます。配布したルート図には、イノシシの出没地点や夜行性の動物・昆虫の観察ポイント、修行場が案内されています。気温はグングン下がり、吐く息にライトが白く反射し、それなりに夜行を盛り上げてくれます。
子供さんは終始興奮しているようで「すげー!やっべー」と弟さんと盛り上がっています。お母さんの普段の運動不足がたたり、休憩を多めにとりながらの夜行にはなりましたが、無事に掬星台に到着。1000万ドルの夜景に、寒さも忘れてご家族で見入ってました。
掬星台の展望デッキからの夜景
ブラックライトに照らされたシャツが光るのを不思議がっていたので、洗剤に含まれる白く見せる薬品(蛍光剤)が反応していることを説明すると妙に納得。笑った歯も同じように光っていて、更に爆笑でした。
術後
しばらくして、ご両親にお話を聞くと「何か感じるものがあったらしく、今は普通に学校に行っています。ただ、休みの日は相変わらず引きこもりです(笑)」との事でした。大きな変化点として、週末にはご家族で真夜中のウォーキングをする事がクセになったそうです。
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