神経障害性疼痛
先日来院された患者さんは、全身ではなく一部ですが刺すような激烈な痛みがあり2日間ほど眠れない日を過ごしたそうです。当然、患部には触れることも難しくPmamを使って施術するほかありませんでした。
人の体は、一部でも痛みがあるとそれをかばうように、ほかの部分にも痛みや倦怠感やコリとして影響が出てしまいます。その方も、患部以外の不調については通常の施術を行い、様子を見てもらうようにしました。その後、数回の来院で症状はずいぶん緩和されましたが、何かの拍子にぶり返すことがありました。
この患者さんは、当院以外にも病院での診察を受けておられ、いわゆる通常の痛み止めを処方されていました。
そこで、症状が線維筋痛症に似ていること、セカンドオピニオン制度を利用して別の医師の意見を聞くもの有効であることをお伝えしました。結果、患者さんは後日別の病院で診察を受け、痛みがほぼ無くなったとの報告を頂きました。
来院時におくすり手帳を拝見すると、そこにあったのが「リリカ Lyrica ファイザー製薬」だったのです。
広く使われるようになった
以前このブログで線維筋痛症の事例を紹介ことがあります。
当時の線維筋痛症の患者さんは、特効薬もなく通常の鎮痛剤では抑えることが出来ない、壮絶な痛みと毎日戦って過ごされていました。あるテレビ局のアナウンサーが、自死したことで有名になった症状でもあります。
海外では当たり前に処方されていたお薬ですが、日本ではつい最近の事なのです。もっと前にこのお薬があったら、多くの患者さんを救えたかもしれません。
薬の説明には次のように書かれています。
海外では、神経障害性疼痛に対する第一選択薬として位置づけられています。また、てんかんの治療にも応用されているようです。日本での適応は「帯状疱疹後神経痛」を皮切りに、帯状疱疹後神経痛をふくむ「末梢性神経障害性疼痛」に改訂され、新効能として「線維筋痛症に伴う疼痛」が追加されました。さらにその後、中枢性と末梢性をふくめた「神経障害性疼痛」に適応症が拡大されています。今後、神経障害性疼痛や線維筋痛症の治療に広く用いられることになるでしょう。
出典:お薬110番
現在では、「リリカ Lyrica ファイザー製薬」という薬品名で、ジェネリック医薬品では「プレガバリンPregabalin」という名前で広く処方されるようになっています。
医学の進歩とともに、当時の患者さんを含め多くの治験者が献身したおかげで、今回のようにつらい症状から早く解放された・・・そのことを考えるととても感慨深いものがあります。
いまいちど一施術者として何ができるのか、一層の精進・努力をしていく必要があるとの思いを新たにした一日でした。
この記事へのコメントはありません。