小顔矯正と骨盤矯正 嘘のような本当の話

小顔矯正と骨盤矯正

不安をあおる店頭ポップ

まず初めにお断りしておきたいのが、エステサロンなどで行われている顔面の表層筋をトリートメントした結果、小顔に見せる施術については門外漢のため触れることはしません。今日は、整体・カイロ・接骨院等の店頭ポップにある「頭蓋骨調整で小顔に」とか「産前産後の骨盤矯正」など、女性の美意識や出産の不安に付け込んだ手法の問題点を取り上げます。

当院でも骨盤調整は行いますが矯正は出来ませんし、骨盤があたかも蝶が羽ばたくかのように動くという説明もしません。 骨盤矯正の問題点については、旧のブログに書いてありますのでそちらを参照してください。 骨盤矯正の嘘と本当のお話1 骨盤矯正の嘘と本当のお話2

頭蓋骨は小さくなったり膨らんだりしません

ペットボトルを頭蓋、中の水を脳脊髄液として簡単な実験をしてみましょう。ふたを取ったペットボトルに水を満水まで入れて下さい。次にボトルを握るように力を加えて下さい。どうですか?水がこぼれたと思います。もし頭蓋が本当に動くのであれば、動いたとたんに脳へのダメージは避けられません。動いたとしたらそれは「圧迫骨折」で、脳挫傷となります。

中には、頭蓋骨の合わさっている部分には微細なすき間があるから、膨らんだり詰まったりすると言った「とんでも解剖学」を持ち出す方がいます。根拠として「水頭症」を例に出されて、だから頭蓋は動くとの説明です。確かに、出産時の赤ちゃんの頭蓋は45個に分かれていますが、成長とともに完全に癒合し頭蓋はカプセル状になり脳を保護します。

ですから、事故などで頭を強く打った時などは、頭蓋が膨らまず内圧が上がるため、脳が潰されないように処置を行うのです。人が加えた程度の力で頭蓋が動いているようでは、ヘルメットを被っただけで簡単に動いてしまいます。従って、人力程度の圧による頭蓋への変形はあり得ないのです。

頭蓋縫合が歯車のように動く

もうこれに至っては、笑うしかありません。どうやら、「縫合線がギザギザで歯車のように見えるから、一部の骨を動かしたら他も動くはず・・この理論は大発見!」と、どこかの施術家が考えたのでしょう。

頭蓋骨の中で、唯一可動性をもっているものは「下あごの骨」だけです。元々、動かないものを動くと思っているからこんなにも頓珍漢な理論を生み出すのでしょう。

実はこのカイロの仕事をする前に、会社員として20年以上産業機械のメカトロにクスに携わる仕事をしていました。なので、歯車が滑らかに動くためにはどのような機械的要素が必要で、調整がどれほど困難かは身に染みて分かっています。仮に頭蓋が動くとしても、縫合のギザギザは歯形もバラバラで、回転中心もなく立体形状のものが連動して動くことは決してあり得ないのです。

当院には医療従事者の方も多く来院されるますが、一様に小顔矯正と骨盤矯正については「ビジネス」ととらえています。 当院では小顔矯正としての施術は行いませんが、肩首こりやねこ背等の術後を観察すると、頭など重心位置の変化で肩から首周りの緊張がなくなります。そして、あごから肩までのラインに変化がますので、結果としては、顔がスッキリしたと喜ばれるのですがちょっと複雑です。

ともあれ、このブログをご覧になった方が小顔矯正と骨盤矯正について理解をされ、不安や疑念から解消されることを願っています。

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