寝違えはマッサージ厳禁です
寝違えるとつい、もんでみたりマッサージをしてみたくなりますが、かえって悪くなるので厳禁です。また寝違えの痛みは、肩よりも首や頭の付け根(後頭部)に出やすいため、つい触ってしまうのは無理もありません。
また痛いからといってつい冷やしたくなりますが、寝違えは筋肉の炎症ではありません。どちらかというと使い捨てカイロ等で温めた方が、硬くなった筋肉の緊張を和らげ、痛みを緩和するのに効果的です。
頭はとても重い
寝ている時ばかりでなく、顔を洗っているときに鏡を見ようと顔をあげただけで寝違えたり、肩から重たいカバンを降ろした後に寝違えたりします。他にも、新しい寝具にしたため体がなじんでいない時や、パソコン作業で首を長時間固定したあとにも寝違えます。例えると、「ぎっくり首」といってもいいくらいの痛みが出ます。
寝違えが起きると、首を動かすことが痛みで困難になり日常生活すべてに影響が出てしまいます。そして、痛みは肩から後頭部にかけて広がり、ちょっと動かすだけで電撃を受けたように感じます。「あたまってこんなに重かったっけ?」と感じる瞬間です。
実は、当院であつかう寝違えの原因の多くが、「肩甲挙筋」と呼ばれる肩から首への筋肉で起きているのです。
- 肩甲挙筋について
肩甲挙筋
主訴
34歳女性。二人の子供を抱っこして階段を往復し、最後に重い荷物の入った袋を持ち上げようと、背中をそらしたとき首に激痛が走ったとの事。それからは、上を向くことも左右に回すことも出来ず、日々の動作に加えて車の運転に支障がでて困っている。
初検
右に首をまわそうとすると、左前の張りと右側の耳の後ろから肩甲骨の内側にかけて痛みが出ます。首の左右の回旋、伸展はほぼ無理。おじぎはなんとができます。仮調整で、肩甲挙筋の停止部のあたりをPmam(浅筋膜調整)を行うと、ほぼ痛みが消失し首がスムースに動くことが確認できました。
施術
一旦、キネクションテーピングで僧帽筋(上)と肩甲挙筋を補助し、痛みで硬くなった肩周りの調整を行います。その後、頸椎調整と肩甲挙筋をPmam(浅筋膜調整)を実施。その後、テープをはずし、首を動かす動作では痛みが感じられないので施術は終了です。
術後
肩や、首に負荷をかけた時のストレッチ指導と、寝違えのメカニズムを説明。寝違えは、ある程度はセルフケアが出来る症状なので、いざという時のケア方法を覚えて頂きました。患者さんは終始不思議そうに「なんで、ほとんど触ってないのに痛みが消えるの?」と何度も感心されてました。
※この事例のように、Pmam(浅筋膜調整)の際には、原因となっている部位にかける圧力は極めて小さいのが特徴です。
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