骨盤が変形したらとんでもないことに
このブログをご覧になっている方で、足首や手首の捻挫を経験された方はいらっしゃいますか?捻挫をした時は、とても痛かったと思います。それは、関節を固定している靭帯が、強烈に伸ばされるからなのです。
骨盤も同じように、縦横無尽に靭帯で補強されていますが、同様に「骨盤矯正」で動かされたらどうなるでしょうか?もうお分かりですよね。恐らく、相当の激痛で立つことすら出来なくなるでしょう。でもご安心を、人間の手技程度の力では骨盤の靭帯はびくともしません。
骨盤矯正って何するの?
当院のある灘区およびJR六甲道周辺では、「骨盤矯正」をうたったお店の開院ラッシュが相次いでいます。増えている理由として、規制緩和の影響で学校が増えたせいもありますが、多くの先生が誕生し、その先生方を動員して、一気に分院化を進めているものと思われます。
先日も新規でお越しの患者さんから「骨盤矯正ってどこも看板にあげてるけど、そもそも骨盤矯正ってなにするの?アトラスさんとどう違うの?」との質問をいただきました。患者さんには、骨盤の仕組みや一般に誤解されている内容、当院での施術の方法などを説明しました。
そこで今回は、骨盤矯正について見ていきたいと思います。
※ 「骨盤矯正の嘘と本当のお話」については、以前旧ブログに書いていますので次のリンクを参照ください。
骨盤は変形しない、変位するだけ
まず骨盤矯正のお話をする前に、まず骨盤についておさらいしましょう。過去のブログにも何度か書いていますが、通常時の骨盤は蝶の羽のように開いたり閉じたりはしません。出産時でも骨盤の上は狭くなり、骨盤の下(座骨)がわずかに開くだけです。
つまり骨盤はグニャリと変形するのではなく、形はそのままで位置を変位させていると考える方がイメージしやすいと思います。 次のイラストは、代表的は骨盤の変位をあらわしています。
【骨盤を横から見た図】
- 中間位 バランスが取れた理想的な骨盤の状態です
- 前傾 美しい姿勢を意識しすぎる方に多く見られる骨盤の状態です
- 後傾 ねこ背気味の方や巻き肩の方、高齢者に多く見られる骨盤の状態です
【骨盤を後ろから見た図】
- 中間位 バランスが取れた理想的な骨盤の状態です
- 側方傾斜 足、膝、股関節のトラブルや同じ側の脚を組むなど、からだの片側に負担がかかっている骨盤の状態です
本来、骨はゆがまない
骨盤に限らず、人の体を支えている骨そのものはゆがむことはありません(ホルモン異常などの病気は除く)。人の体の骨には全て左右一対の筋肉がくっついています。そのため、どちらかの筋力が強くなったり弱くなると左右の張力の差が出てしまい、全体としてみた場合ゆがみとして現れるのです。
もしゆがまない骨を「矯正」するのなら、外科的に骨を削るか、歯科矯正に見られるように長い時間と労力、費用が必要になります。ですから、当院では「調整」と呼んでいます。
次に、筋肉の緊張がどのように体に働くかを見ていきましょう。 イラストの「前傾」を例に見てみると、骨盤についている太ももや脊柱の前面にある筋肉と腰の筋肉が緊張していることで、骨盤の変位が起きることが分かります。同様に「後傾」もねこ背姿勢などから腹筋の一部と、ももの後ろ側の筋肉に緊張が骨盤の変位をまねいていることが分かります。
当院の行う骨盤調整
すでに「骨盤矯正」のお店に通っている方もいらっしゃると思いますが、からだの変化はどうでしょうか?満足のいく状態ならいいのですが・・。 当院の骨盤調整では、すぐに施術に入ることはしません。まず、骨盤を支えている股関節、膝関節、足関節、足底までの状態と、骨盤から始まって上半身のを支える筋肉のバランスなどを各種検査法により特定します。施術はその後になります。
調整は、骨盤をゆがめている原因筋に直接行いますので、時間が経っても戻りづらいからだになるのです。もちろん、術後の生活習慣の改善方法なども提案させていただき、より良い状態をキープして頂きます。
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