足の「長さ」は変わらない
左右の足の長短で、骨盤のゆがみを判断するこの方法は、以前より体を調整する業界で使われてきた検査方法です。実はこの方法、術者の采配によるところが大きく、正確性においてもあまりあてにはなりません。
骨盤がゆがむと足の長さが変わる?
結論から言うと、事故や骨の病気または先天性の障害が無い限り足の長さは変わりません! カイロや整体・マッサージなどでよくあるのが、かかとをそろえて足の長さを測る方法です。 かかとの先端を見て「長い方(または短い方)の骨盤がずれていますね。骨盤矯正が必要です。骨盤がずれると頭痛や肩こり肥満など大変な事になります」などと、言われたことはないでしょうか?
正確に足の長さを測るには下図のように3つの方法があります。いずれもくるぶしの位置を基準にしていて、決してかかとで測ったりしません。かかとで測らない理由は、とても不安定だから。足首は、捻挫やケガまたは長い間の生活習慣で曲げ伸ばしをする動きが左右で違っています。つまり、かかとの位置は足首の曲げ伸ばしに影響をうけるので、基準にはできないと言うことなのです。
骨盤の変位量(傾き)を見るのに、当院も足の長さを確認をしますがあくまでも目安です。「見かけ上、左足が長く見えますが足の長さは同じなので心配いりません。」と、いった具合です。 実際に骨盤の左右の変位量が大きい方は、頭痛・肩こり・腰痛だけでなく日々の生活で次のような事を経験されています。
- 何もないところでつまづいたり、足首をひねったりする
- 片方の靴だけが異常に減る
- スカートが回ってしまう
- 片方の方にしかカバンを掛けることができない
- 左右の噛みぐせがある
- 左右で首の回り方が違う
足の長さがそろうと骨盤調整が上手くいった証拠になるのか
なりません。もともとゆがまない骨盤を、さもグニャリと動くかのように喧伝するのは当院では行いません。 本来の骨盤矯正は、その変位を起こしている複数の筋肉にアプローチすることで成り立ちます(骨自体も、単体で動かすことはできません)。
他にも、あおむけになった時に片方の爪先が倒れていると、そちらの骨盤が開いているといったものも同様に意味不明です。 人体は、複雑なバランスで日々の活動を行っています。単独の筋肉への刺激だけではかなり無理があるといえるでしょう。
ちまたにあふれる「骨盤矯正」って何なのか、今一度考えてみる必要がありそうですね。 当院が考える骨盤調整の記事については、以下を参照ください。
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