時には過去に戻ることも必要です
関節の痛みは、誰しも経験のあるものです。人体において関節は、人間が滑らかに動くための大切な機構です。機能や分類にもよりますが、人体には260~360ヶ所もの関節があると言われています。そして骨と骨をつなぐ関節は、靭帯で補強されていたり、筋肉によって動きを可能にしています。
3年続く足首の痛み
今回のケースは足首のトラブルで、普通にしていると痛みは無く日々の生活で歩く分については全く支障がありません。ところが、階段や坂道の上り下りやつま先立ちになると痛みが出るというものです。 結論から言うと「前脛骨筋:ぜんけいこつきん」と呼ばれるスネの前にある筋肉のトラブルが原因でした。 下図のように、「前脛骨筋」は膝の横から足首を通り、足の親指の付け根に付いています。この筋肉が上手く働かず、足首に負担が出ていたようです。
主訴
スキー合宿で転倒した時、板がはずれず足をひねってしまった。それから、3年が過ぎようとしているが、いまだに坂道の上り下りで足首に痛みが出る。特に、つま先立ちの運動で痛みが強くでる。また、日常生活で痛みは無いが、何もない所でよくつまづくようになった。痛む方の足だけ、ペタペタとペンギンの様に歩く。ふくらはぎが常に疲れているといった状態です。
初検
痛みの無い方の足首と動きをくらべると、やや動く範囲がせまくなっていました。足首を曲げる筋力については、左右差はなく問題ありません。腰の状態も特に問題はなさそうです。徒手検査による、チェックだけでは痛みが再現せず、やはり立ってつま先立ちの時のみ痛くなりました。転倒時のようすを再現してもらうと、どうやらブーツによる「前脛骨筋」への強烈な圧迫があった事が分かりました。前脛骨筋に、いわゆるの圧挫に近い状態がおこったものと思われます。その後、痛みが出た足首を固定したため更に前脛骨筋にトラブルが起きてしまったようです。ふくらはぎの疲れも、足首を曲げる前脛骨筋にトラブルがあるので、逆に伸ばすためのふくらはぎの筋肉(腓腹筋:ひふくきん)に無理がかかったものです。
施術
動きの悪い「前脛骨筋」がある側の脚全体の調整と、それを受けている反対側の股関節周り、バランスを取っていた上半身の調整を行いました。
術後
術後は、つま先立ちをしても痛みは出なくなりご本人も安心された様子、1週間後まで様子をみてもらうことにしました。2回目では、「2日間は全く痛みが無く快適でしたが、その後は痛みが元に戻った感じ・・」との事でしたので再度調整を行いました。術後はすぐに痛みが無くなるので、ご自宅でのセルフケアの方法を覚えて頂きもう1週間後の来院をお願いしました。3回目で問題なければ一旦終了し、以後は自由メンテナンスでの来院となります。
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