新型コロナウィルス 精神的パニックを避け冷静に

氾濫する情報に惑わされない

当院へ調整に来られる医療関係者が、口をそろえて訴えるのが新聞やテレビなどメディアによる「あおり報道」です。また、それに便乗するような形でSNSなどで拡散される、出所不明で都市伝説的な怪情報です。

「今日は〇〇人の方の感染が判明しました」「医療崩壊が間近です」等々、視聴率が稼げる煽情的な放送内容に、医学的な事は全く知らない解説者が「心配だ」「怖い」「大変だ」を毎日連呼するのですから、一般視聴者にすればそれが本当の事のように思えてしまうのも無理はありません。

その上、普段何をしているのか分からない変な専門家や大学教授を引っ張り出して来て、番組に箔をつけるのですからたまったものではありません。事実、最前線で戦っておられる医療従事者からは「公共の電波を使用して健康問題について発言するなら、最低限のヘルスリテラシー(*1)試験を行ってほしい」との声が上がっています。

さらに許せないのは、その医療従事者への差別的行いの数々です。学童に預けた看護師の子供さんを軟禁状態にしたり、過酷な訪問看護の現場で働く看護師に対して罵声を浴びせたりと、到底看過できるものではありません。

どうして「ご苦労様、ありがとう」の一言が言えないのでしょうか。

彼らが最もウィルスに暴露する危険性があるにも関わらず、冷静にかつ献身的に対応してくれているからこそ、今の平穏がギリギリ保てているのです。そんな輩に私は「恥を知れ!」と、声を大にして言いたい。

 

*1 ヘルスリテラシー:人々の知識、理解、行動能力を向上させるための教育を行い、健康の社会的、経済的、環境的認識を高めること。そして、個人的および集団的な行動を促し、健康のための効果的な地域社会での行動を可能にし、社会的利益をもたらすこと。

予防は通常の感染症対策と同じ

新型コロナウィルスの、主な感染経路は接触感染で、後は咳やくしゃみなどの飛沫感染が上げられます。飛沫感染は咳エチケットや人混みでのマスクの着用で防ぐことができます。そして、接触感染については「人」→「人」ではなく、「人」→「物」→「人」である事を覚えておいてください。※欧米での初期の感染拡大は、その習慣から「人」→「人」と推測されています。

対策として、ノロウィルスや季節性のインフルエンザなどの感染症と同じく、新型コロナウィルスにおいても基本的な感染症予防を徹底する事で拡散が抑えられます。

感染経路

昨日、ある内科医の先生がSNSで「世の中の全ての物は、『ペンキ塗りたて』で考えると予防が行いやすい」と発信されていました。つまり、コロナウィルスとの接触を「ペンキがついた」状態と表したのです。とても分かりやすい例えで、正に「人」→「物」→「人」の接触感染を意識しやすいですね。

新型コロナウィルスの初期症状

高熱
  1. 風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)また、高齢者や基礎疾患を持っている方は2日以上の発熱。
  2. 強いだるさ(倦怠感)がある
  3. 咳を伴い息苦しさ(呼吸困難)を感じる

上記症状がある場合には最寄りの保健所などにある「帰国者・接触者相談センター」へ連絡しましょう。⇒帰国者・接触者相談センター

感染症予防&対策

マスクエチケット
  1. 調理前や帰宅時には石けんで手から肘までを洗い、15秒以上の流水で洗い流す。手洗い後は、清潔なタオルや使い捨てのペーパータオルで拭く。
  2. 手洗い後、たっぷりのアルコール※で手指に刷り込むよう消毒する。
  3. 飛沫感染を防ぐため、咳エチケットとマスクの使用。マスクがない場合は、ハンドタオルやティッシュ、肘で代用する。

※消毒用アルコールを使用すること。無水エタノールは、すぐに蒸発するので消毒効果が薄い。


 

換気
  1. 咳エチケット、手指衛生と3密(密集・密閉・密接)を避けましょう。
  2. 換気は小まめに。部屋が大きければ大丈夫で、密閉は危険というものではありません。要は空気の循環(換気)の程度です。

※家庭用のエアコンは空気を循環させるだけなので「換気」は行っていません。また空気清浄機は、通過する空気量が換気扇などの量に比べて少ないので対策効果は不明です。

 


 

粘膜感染

健康な状態の皮膚からは、ウィルスは進入できません。主な感染経路は、口・鼻・目などの粘膜から感染します。手洗いや手指消毒を行う前に、顔などむやみに触らないようにしましょう。先に内科医の紹介した「手にペンキが付いている」と思えば意識しやすいでしょう。

 

 


 

睡眠

テレワークが進んで、じっと家で動かずかえってストレスが溜まってしまう方もいます。時間を見て、散歩に出かけたり軽くジョギングをするなどしてリフレッシュするのも有効です。また、食事や睡眠など生活のリズムを一定に保つことも、免疫力を維持するうえでも大切です。春先の冷え込みで、風邪や季節性のインフルエンザにかかりやすくなっていますので、体調管理に気をつけましょう。

緊急事態宣言は、諸外国で見られる「ロックダウン(都市封鎖)」ではありません。医療機関への通院、食料・医薬品・生活必需品の買い物、必要限度内での職場への出勤、屋外での運動や散歩の健康維持などのための外出まで、自粛の対象にはなりません。 -厚生労働省HP「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)問2」より抜粋-

正確な情報を知りましょう

厚生労働省から、リアルタイムに重要で正確な情報が発信され続けています。SNSやTV・新聞などのメディアから一旦離れて、冷静な目でいまの現状を見るのも大切ではないでしょうか。次にリンクを貼っておきますので、じっくりと目を通していただければと思います。

【政府・厚生労働省】

新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)

【民間企業】

地理情報システム(GIS)を利用して可視化したマップ(本来は国が率先して出すべき)

都道府県別新型コロナウイルス感染者数マップ(ジャッグジャパン株式会社提供)


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