登校拒否 キャンプカウンセリングで気持ち開放

登校拒否

一番頑張っているのは本人

登校拒否で一番頑張っているのは当の本人で、周りからアドバイスをすればするほど訳が分からなくなって家を出られなくなってしまいます。いわゆる引きこもり状態です。そして、外の世界と唯一の接点が、家族ではなくネットが中心となりやすいのが現代の子供を取り巻く環境です。強いストレスに対して心はバリアを張って防御するものですが、精神構造が未熟な場合はそのバリアが「家」であったり「部屋のドア」などが無意識のうちに物理的な防壁として働きます。

また、本来三位一体の働きをしている「心」「体」「頭」のバランスと崩すと、一番先に現れるのが「体」への不調となります。「頭」では頑張らなけらばならないと分かっているのに「体」が動けないのです。今回のキャンプカウンセリングの例では、まず体に大きな不調を抱えて医師から「疼痛性障害」と診断された子供の事例です。
 

主訴

学校でのトラブルから、肘から肩にかけての激しい痛みが出るようになり、一ヶ月たったのですが肩の痛みがとれないとのこと。本人が一番つらく、歩くのも松葉づえでやっとといった感じ。剣道を習うくらい活発な子供さんで、「学校も大好きなのではやく復帰したいが体がいう事を聞かないので将来が心配」と、同行のお父さん。医師からは【疼痛性障害】と診断されたそうです。いわゆる精神性の障害からくる痛みという事です。処方として、ごく弱い安定剤を出されているようですが、お父さんとしても薬に頼るのはやはり心配になっています。

初検

来院時は、自力では歩けず赤ちゃんがやるずり這いと松葉づえでなんとか動ける状態。疼痛として肘より肩の方に顕著な反応が見られ、私が手を近づけるだけでも痛みからの恐怖で肩を激しく引いてしまいます。全身はこわばり、睡眠と食事のバランスも上手く取れていない様子でした。子供さん本人から話を聞くと、どうやら学校で先生に勉強の仕方について相当なプレッシャーをかけられたようで、その際先生に(激励のつもりで)肩を「ポン」と叩かれてから症状が出始めたそうです。ちなみに、成績は常にトップクラスです。他には、お父さんのうろたえが子供さんに悪影響を及ぼしているのは明白でした。

施術

【初回】疼痛の原因は肩になく歩けないのも心因性なので、初回は肩以外の全身の調整を行いました。体を触った感じでは、さすがに剣道をやっていただけあってか下肢の筋肉もしっかりとしており、可動や筋反応にも問題は見られませんでした。そして、遠因はうろたているお父さんにもあるので、子供さんとは別の所で心構えについてお話させて頂きました。その際、別室の子供さんに聞こえる様に「脚の筋肉に問題はありません。調整をしたので、明日の10時には歩けるようになるでしょう」とお話をさせて頂きました。

【2回目】お父さんから「次の日、本当に10時ごろに歩けるようになった!」との報告を頂きました。2回目は自力で歩いて来院できましたが、頭のてっぺんにハンドタオルを、まるで銭湯で湯船に浸かっているかのようにのせて来られました。今度は、「頭がボーっとして座っていてもフラフラする。ハンカチを頭に載せるとおさまる」との訴えです。

施術は前回同様、全身調整を行いました。その後「ハンカチよりキャップはどう?」と、私の登山用の帽子をつばを後ろ向きにかぶせてみました。元々、ハンサムな子供さんなので結構かっこよかったです。鏡の前の自分を見て、まんざらでもなくハンカチより落ち着くとのことなので、帰りに買ってかえる事になりました。「よりスッキリしたいなら、小林製薬の『冷えピタシート』もいいよ」と案内、こちらも購入決定です。まだこの時点では、肩の疼痛には変化はありません。

【3回目】帽子は無くても大丈夫になったが、今度は突然の過呼吸でパニックになってしまうとの訴えで来院されました。手にビニール袋をしっかりと握ったままの状態で、全身の調整を行いパニックになりそうなときの対策をお話しました。この時は、大好きな剣道にある調息(呼吸法)調心(心)を思い出してもらい練習をしました。

【4回目】やはり武道の効果はてきめんで、あれ以来パニックからの過呼吸は起きなくなったそうです。同時に、肩の疼痛も強弱がはっきりと出るようになり、精神的な変化が見て取れるようになりました。痛みが強くなるのは、やはり学校に行こうと準備をし、いざ行こうとした時にだけだそうです。そこで、キャンプカウンセリングの観点から、子供さんに自身の壁に挑戦してみるかどうかをたずねるとと是非やってみたいとの返事でしたので、日時とプログラムを設定しご両親同伴のうえ実施しました。

術後

キャンプカウンセリングの実施場所は、摩耶山の登山ルートの一つを選択。
 

ここを選んだのは、他のハイカーが通らないバリエーションルートの一つで貸し切り状態で実施でき、エスケープもロープウェイやケーブルカーが利用できるから。そして、子供の初登山にしてはちょっと難易度が高めの設定で、自身の限界に挑戦してもらうためです。

事前の打ち合わせで、リーダーを子供さん、サブリーダーは私とし、常にバックアップ体制を維持することで実行します。途中の休憩や、食事のタイミングまた無理は絶対にしないとの約束で撤退についても子供さんに全て任せます。またルート上のランドマーク(現在地確認場所)についても、子供さんとご両親を交えて予習をしオリエンテーリングの要素を取り入れ地図を読みながら楽しく登山出来るように工夫しています。

当日は天気も上々、まっさらな帽子とリュックで肩の痛みも気にならないとの事でスタート。刻一刻と変化する景色を楽しみながらリーダーとしての責任感もしっかりと出てきて、なにより全身と五感を働かせての登山はいい刺激になったようです。

途中、しんどくて泣きも入りましたが「リーダーは君だから、みんなその判断に従うよ。決して間違いではないし、登山は勝ち負けでは無いのだから」と激励。しんどさの余りパニックになって過呼吸に陥りそうになった時も、「調息・調心!」と私が一言かけるだけで、落ち着きを取り戻すまでコ自分をコントロール出来ていました。学校や、日常生活においても自分をコントロールすることはとても大切なのです。

結局最後まで登り切り、大人でも大変なコースをよく頑張ったと、記念のバッジを購入しプレゼントしました。逆に、ご両親の方がボロボロで日頃の運動不足がでてしまう結果となり、これもまた子供さんに自信を付けたようです。ご両親からも「本当は、先生には悪いのですが絶対に途中であきらめると思ってました。あの子の中に、こんな力が眠っていたなんで知りませんでした。いい勉強になりました」と。

その後、「何かあったらすぐにおいで。こんどはもう少し厳しい所に連れていってあげるよ」と、子供さんと約束をし、施術は一旦様子見を取らせていただきました。後日談として、ご両親から「学校にも徐々に行けるようになり、今では体の不調はありません。『どうせ登るなら日本一の山、富士山に登りたい!』と山に目覚めたようで計画しています」とのお話を頂いた。今年届いた年賀状には、山頂でご来光を浴び自信たっぷりにピースサインをする子供さんが写ってました。


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